がんの骨への転移について勉強する・・・③
<がん骨転移の基礎知識>
前回の続き・・
(昨年末に突如腰痛が発症し、腰椎部の圧迫骨折と診断された経緯もあって、骨への転移について勉強したいと思っていたため、<がん骨転移の基礎知識>と題して収集した情報を纏めてみる。)
***ちなみに、先日のMRI結果より圧迫骨折した箇所はほぼ固まっており、腰椎周辺のがん転移はないとの診断を受けている。ただ、なぜ圧迫骨折を発症したかは不明である
前回(①、②)のおさらい
①では以下のことについて勉強した>>>ページはこちらです
・がんの転移とはどのようなことなのか・・・
・どのがんの種類が骨転移しやすいのか・・・
・どの骨へ転移しやすいか・・・
・どのようにして骨に転移するのか・・・
・どのような症状が現れるか・・・
②では以下のことについて勉強した>>>ページはこちらです
<骨転移の治療について>
・骨転移はどの様にして見つけるのか・・・
・骨転移がみつかったら・・・
・「骨に対する治療」はどのようにするのか・・・
今回は骨に対する治療の続きを勉強する
1.骨修飾薬とはどんな薬か・・・
・破骨細胞の過剰な働きから骨を守って骨病変の進行を抑える薬。
骨修飾薬にはビスホスホネートと抗RANKL抗体というのがある。
がん細胞が骨に住みつくためには破骨細胞の働きを利用する。(お勉強①参照)
ビスホスホネートは破骨細胞に取り込まれて働きを抑える作用がある。
抗RANKL抗体はがん細胞の刺激をブロックして破骨細胞の働きを抑える作業がある。
これらの作用によって骨病変の進行を抑え症状を改善する効果が期待でき、どちらも一般的に3~4週間ごとに投与する。また、これらの薬は抗がん剤ではない。それと、ビスホスホネートは高カルシウム血症の治療にも用いることがある。
なお、これらの薬も副作用があるらしいので、医師とコミュニケーションを十分にとる必要がある。
2.鎮痛薬はどのような薬があるか・・・
・効果の強さに応じて3つのタイプがある
①非ステロイド性消炎鎮痛薬(非オピオイド)
②弱オピオイド
③強オピオイド
痛みの強さの応じた鎮痛薬の使われ方として
<第一段階:弱い痛み>・・非ステロイド性消炎鎮痛薬+鎮痛補助薬
<第二段階:中等度の痛み>・・弱オピオイド+非ステロイド性消炎鎮痛薬+鎮痛補助薬
<第三段階:強い痛み>・・強オピオイド+弱オピオイド+非ステロイド性消炎鎮痛薬+鎮痛補助薬
***妻も圧迫骨折の時は非常な痛みがあった。現在、痛みは殆どないとのことだが、緩和ケアの受診で痛みの段階(数値表現)を問われるが、人によって痛みを感じる感覚が異なるので痛みの数値表現って難しいって感じている。。
①非ステロイド性消炎鎮痛薬(非オピオイド)・・・初期に使用されることが多い。実際にはこれのみでは不十分なこともある。
②、③オピオイド鎮痛薬・・・医療用麻薬のこと。効果が強く中~強度の痛みに用いる。モルヒネと言われるメジャーな薬もこのオピオイド鎮痛薬に相当する。適切に使用すれば長期間使用しても内蔵に対する負担が少なく痛みに対して優れた鎮痛剤である
なお、実際には上記の両方(非ステロイド性消炎鎮痛薬+オピオイド鎮痛薬)を併用して痛みを抑えるのがお勧めらしい。ただし、副作用もあるみたいなので医師と十分にコミュニケーションをとることが重要である。
3.放射線治療はどのような治療なのか・・・
骨転移部位へ放射線を照射することで痛みを抑えたり、骨折・脊椎圧迫を予防する治療になる
放射線治療はがん自体に対する治療もあるが、ここは骨転移に対する放射線治療と言う事で主に痛みを改善し骨折や脊椎圧迫による下半身マヒを予防するために用いる治療になる。
放射線治療は手術や抗がん剤治療に比べて身体への負担が軽く治療による痛みが少ない(らしい)が、副作用で吐き気やのどの痛みが生じて食事がしにくくなったり、白血球減少などの症状がでることもある
「放射線治療」は通常1週間から4週間かけて行い、治療の半分を過ぎたころから効果が表れ始める。
4.手術はどのようなときに行うのか・・・
手術による治療
①骨折が起きたとき
②放射線治療や薬による治療を行っても強い痛みがあるとき
③脊椎圧迫によるマヒが生じ手術以外の方法では効果が期待できないとき
それと、画像検査等で骨がもろくなって骨折しそうであると分かったときに手術で補強して骨折を予防することもある。
なお、手術は身体に大きな負担がかかる治療であるため、十分に医師と相談して決定することが重要である。
**妻もがんの治療(抗がん剤治療)中に腰椎の圧迫骨折になった。この時は腰+背中に強い痛みで身動きできないくらいであった。医師へはこの痛みを優先的取ってほしい治療をお願いするが、痛みの原因(腰椎圧迫骨折)が判明するまで1ケ月くらい掛ったことを思い出す。また、圧迫骨折が判明するもコルセット等で固定ができず(肝臓にがんがあるため、腹部を締め付けられない)で、ここから鎮痛薬(医療用麻薬)を飲むことになった。
痛みという症状は本人も大変につらい症状であるが、家族(私+娘)も同じで、その痛みに耐える妻に何もしてあげれなく、ただ足や手をさすってやるくらいで、つらい時を過ごしたことを書きながら回想している。
なお、妻の圧迫骨折の治療経過は至って順調である。がんの骨転移もないし。。ただし圧迫骨折の治療は当面継続する予定。
がんの骨への転移についてのお勉強は今回で終了。
引き続き、がんばりましょ。。